昭和の御代ほど、日本が激しい運命をたどった時代は他にありません。
その変動の六十余年間を天皇の位にいられた昭和天皇も、世々の天皇のなかで
もっとも長く、国民とともにその時代の重さを耐え抜いて来られました。
天皇はまた、千五百年にもおよぶ日本人の心の表現である和歌の形によって、
折々のお心を表すことに御熱心でありました。
今までに刊行された御製集のお歌は、八百余首におよんでいます。
この書に引かせていただいたお歌の数はわずかですが、御治世の折々の感銘深い
和歌について、そのお心ができるだけ伝わりやすい形で記してみました。 |